☆ 国会議員候補者にドラフト制を導入しては? ☆

里見哲

 人気者新庄選手を巡って、日本を代表する自民、民主両党が争奪戦を展開しているという。確かに新庄選手のインタビューなど聞くと、いわゆる小泉チルドレンの人たちの話よりずっと内容のあることが多い。世襲議員しか総裁選挙に出馬せず、フリーターあがりで間違えて当選したような人たちが看板になっている自民党にとって喉から手がでるほど欲しい人材であろう。

 小泉首相は、「いろいろな立場の人が立候補することはいいことだ」と発言している。これまた正論である。前回選挙ではフリーター代表も当選した。自民党は、この調子で、行政訴訟を起こしている原告や、同性愛の権利向上を求めている人達などもどんどん立候補させるべきであろう。外務省にほとんど騙されたと言って良い移民した人々にも議席を与えるべきである。

 一方、未だに政権交替と称し、確固たる政策を示せない民主党も新庄選手を獲得したいだろう。しかし、人気者を与党と取り合いをするようでは、民主党の前途も暗いと言わざるを得ない。さすがに鳩山幹事長は、新庄擁立について批判している。与党と区別できないような政党では存在価値そのものも問われるからだ。民主党は完全に自民党の2軍視されるだろう。

 このように、各政党とも政策立案能力がないうえ、人材も乏しいなか、各界の人気者を巡っての争奪戦が行われるのは当然である。これはほとんどプロ野球の新人獲得戦と同じである。このように特に政治的意見を持たない人気者を国政の場で活躍してもらうために、国政選挙でもドラフト制を導入することが望ましい。芸能人枠、世襲枠、犯罪更正者枠、野球枠、ボクサー枠、同性愛者枠、学者大臣用任期二年枠、我田引水型規制緩和枠、百歳以上枠など、さまざまな立場の人の枠組みを作れればなお望ましい。もちろん、ウェーバー制でも良い。人気の低迷している社民党は、新庄選手擁立により1議席多く獲得できるだろう。新庄選手以上に良識のある国会議員がほとんど見られない現在、大変望ましい制度であると思われる。各省庁の審議会や外郭団体なども同様の手法を取り入れ、人事の公平化を図るべきである。「明確なビジョンを示さないなら新庄選手を落選させろ」という井出氏の見解は、いつになく的を外しているように思われる。なぜなら我が国の至宝である首相候補達でさえ、明確なビジョンを打ち出せない時代であるからである。次回参院選は、社民党の新庄候補者に一票入れることにしよう。

(H18/9/18記)


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