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北朝鮮への制裁決議、確かに当然の成り行きだろう。北朝鮮の核実験は世界平和に暗い影を落とす。北朝鮮国内にもたくさんいるであろう平和を希求する人の希望を裏切る。北朝鮮は直ちに核放棄をして平和路線、開放路線に転じるべきだ。そうすれば北朝鮮の国民の暮らしは急速に改善し、あらゆる面で韓国と肩を並べ堂々と祖国統一が可能となる。それを快く思わない既得権益を独占している一握りの者が北朝鮮社会を不幸にしている。悲しいことだ。 しかし、北朝鮮、あるいはイランのように反米的な国の主張にも尤もところがある。米国やロシアは膨大な核兵器を保有しその圧倒的な軍事力で他国に大きな影響力を行使している。中国もそれに近い。核保有国であるイギリスとフランスを擁するＥＵも同じだろう。彼らの核保有が正当化されて、なぜ北朝鮮やイランが核保有することは許されない行為なのか。誰もそれを説明することはできない。 日本は世界で唯一の被爆国だ。それを日本は常に強調し世界平和実現に貢献することを国是としてきた。だがそれなのに近年は北朝鮮を出しに使い、日本も核保有するべきだなどという議論が罷り通っている。核保有を目指した途端、日本は世界で唯一の被爆国であるなどと言うことはできなくなる。北朝鮮の核開発、核保有を非難することもできなくなる。日本が核保有すれば韓国も真剣に核保有を検討し、おそらく実行する。そうなれば東アジアの平和は砂上の楼閣と化し、政治、経済ともに荒廃に帰することになる。 「北朝鮮に対して断固たる制裁決議を」善いだろう。正論ではある。だがそれは日本が絶対に核保有をしないことを世界に宣言し、米国を含めて世界の核保有国に対して核廃絶に向けての現実的な第一歩を踏み出すように強く働きかけるときだけだ。日本も核開発のフリーハンドを持つべきだ、悪いのは北朝鮮だなどと言ったら、もはやそれは姑息な外交戦術に過ぎなくなり、正義の女神が日本に微笑むことはない。北朝鮮の核開発が脅威であるのは紛れもない事実であるが、その脅威に日本が対抗する最高の手段は公正としての正義を貫くことであり、脅しに対する脅しとしての制裁決議ではないことを肝に銘じておきたい。 了
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