☆ 政治家に学力テストを ☆

井出薫

 漢字を読み間違えたくらいでとやかく言うべきではない。とは言え、首相の知的能力にいささか疑問があるのは事実だ。

 故宮沢喜一氏以来10名の首相が誕生したが不思議なことに東大卒が一人もいない。全員私大出身だ。戦後の始めは5代続けて東大卒が首相を務めた。実に様変わりしたものだ。だが、これを学歴主義からの脱却と喜ぶわけにはいくまい。寧ろ先代よりも知的能力の低下した2世、3世議員が増加した結果とみるべきだ。安倍、福田、麻生、いずれも父、祖父は東大だ。安倍の祖父岸信介などは歴代東大法学部出身者の中でも指折り数えるほどの秀才だったと言われている。

 東大出身だから知的能力が高いとは限らない。某(前)国交相のような「本当か?」と聞きたくなるような人物もいる。逆に田中角栄は学歴こそなかったが、仕えた東大や京大出身のエリート官僚が口を揃えて「田中さんは頭が良い」と評したものだ。だから東大卒を首相にするべきだとなどと言うつもりはない。

 政治家に必須な資質は何か。洞察力、判断力、人を惹きつける魅力、心身両面のタフさ、こんなところだろう。この4つが備われば実行力はおのずと付いてくる。あとの二つは知的能力とはあまり関係はない。だが最初の二つは知的能力と高い相関関係がある。

 麻生首相はタフだと思う。魅力もそこそこに感じる。だが一連の言動を見る限り最初の二つには疑問が多い。

 児童の学力低下が懸念され各地で学力テストが行われている。同じように、いや、それ以上に政治力の低下が懸念される。政治家にも学力テストをするべきだ。



(H20/11/23記)


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