☆ 自治体で競う ☆

井出薫

 給付金の所得制限は自治体に任せるという。さすが地方の時代を標榜する自民党、素晴らしいアイデアだ。

 ところが横並び意識で遣ってきた自治体は頭を抱えている。情けない。こんなことではいつまで経っても国の出先機関を脱却できない。ここは裁量を与えられたことを喜び、大いに知恵を絞り、住民のためになる施策を実行してもらいたい。

 色々な方法が考えられる。引換券を配布して住民に三つのいずれかを選んでもらう。@1万2千円(18歳以下と65歳以上は2万円)と引き換える。A添付リストに記載した組織(各自治体のプロジェクトでも可)のいずれかに寄付する。B使い道は自治体の裁量に任せる。私ならば寄付する(と思う)。

 住民に、現金を受け取るか、(例えば)最高10万円、最低3千円の宝くじ券を受け取るという二つの選択肢を与える。これも面白い。私ならば宝くじを選ぶ。ただ、この方法は生活に困っている者ほど宝くじを選ぶ恐れがあるのでリスクをきちんと説明すること、高齢者には原則現金支給とすることなど工夫が必要となる。

 地域振興のために地域通貨を発行するのもよい。地域通貨はあらゆる商品やサービスに利用できるようにする。ボランティア活動などに使ってもよい。また将来のために貯金をしておきたいという人のために地元の郵便局や銀行で預金として使うこともできるようにする。さらに同じように地域通貨を発行する近隣の自治体と協定を結んで住民が各地域の地域通貨を交換できるようにする。

 他にも幾らでも方法が考えられる。いずれも法的な問題が出てきそうだが解決策はあるはずだ。2番目の方法などは真面目な日本人の感覚からすると不謹慎だとお叱りを受けそうだが、お祭り好きな人が多い地域ならば受け入れられる。

 いずれにしても、ここは地方自治体の力の見せどころだ。住民からアイデアを募集して住民投票で遣り方を決めるのも良策だ。とにかく、これを絶好の機会と捉え地域活性化に繋げる工夫をしてもらいたい。地域通貨ならば一過性ではなく恒久的な制度とすることもできる。

 但し自治体に丸投げした政府は無責任だという批判は正しい。お金をもらったら誰でも嬉しいがそれだけで自民党や公明党に投票しないよう選挙民に注意を促しておきたい。



(H20/11/13記)


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