☆ 神聖なるみどりの日を汚すな ☆


 今年のみどりの日もまた好天に恵まれた。心地より日差しが注ぎ、新緑が目に染みる。時折吹く風は、さわやかである。昭和天皇が崩御されてから15年。生前、自然や動物を愛された昭和天皇に相応しく、一年中で最も快適な時期に設定されたみどりの日も定着してきたようだ。

 しかし、この神聖なる晴の日を、朝早くから騒音を撒き散らし、せっかくの初夏の輝かしい一日を台無しにしようとしている一団がいる。残念なことだ。国民の平穏な生活と美しい国土の保持を心から願われていた昭和天皇が、このありさまをご覧になられたら、いかにご心痛なさったかと思うと、居たたまれない気持ちに襲われる。かつて君側の奸なる言葉があった。騒音を撒き散らすかれらは、街角の奸と言われるに相応しい。かつて我々国民は(臣民と言ってもかまわないが)、昭和天皇のご病状が悪化したときに、様々な自粛により平静にご病状回復をお祈りしたのではなかったのか。

 確かに、表現の自由は、最大限尊重されるべきである。「みどりの日を昭和天皇の日に変えろ」という主張はいくらでもしてもらって構わない。しかし、騒音を立てる自由は、認められないだろう。かれらは、自然と生物を慈しまれた昭和天皇の思い出を汚しているように思われてならない。

 騒音を撒き散らせば撒き散らすほど、改憲派への共感は得られなくなるだろう。そう考えると、かれらはもしかすると象徴天皇制を打倒しようとしている勢力なのかもしれない。さらにかんぐれば、外国勢力の手先であったとしても不思議ではないだろう。かれらの掲げる日の丸や、マイクが壊れんばかりにボリュームを上げてながす君が代が、我々臣民の心を捉えないのは、どこの国とは言わないが、きっと外国勢力の陰謀だからに違いないと思われるのである。もっとも何事も外国のせいにするのはかれらの得意技なのだが。

(H15/4/29記)


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