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米国政府がUFO(未確認飛行物体)の情報を公表した。日本政府も安全保障上の観点から注目している。UFOと聞くと、思いつくのは異星人だ。昔は火星人が大人気だったが、今では火星には高等生物はいないことが分かっているので、太陽系以外の恒星系の惑星が候補に挙がる。 だが異星人が地球に遣ってきている可能性は極めて低い。物理法則は宇宙で共通だと信じられている。これは仮説に過ぎず誰も証明はできていない。しかし、少なくともこの仮説に反する事象は見つかっていないし、もし場所と時間により物理法則が異なっているとするとそもそも物理学が成立しなかったと思われる。 物理法則が宇宙共通だとすると、特殊相対論からゼロではない静止質量を持つ物体は真空中の光よりも速く移動できない。最も近い恒星であるアルファケンタウリは太陽系から約4.2光年離れている。現在の地球の技術では往復するのに10万年以上掛かる。将来の技術進歩を加味しても有人飛行が実現する可能性は乏しい。中国のSF作家劉氏の世界的ベストセラー『三体』では、光速の10%まで加速する技術が開発され450年で侵略のための宇宙船団が地球に到達することになっている。しかし、光速の10%まで加速できる有人宇宙船を実現することはおそらく技術的には不可能だと思う。たとえ可能だとしても、地球人の寿命では到達する前に全員死んでしまう。画期的な生命操作技術が開発され千歳まで生きられるようになったとしても、人生の大半を宇宙船で過ごす気になる物好きがいるとは思えない。そう考えていくと、異星人が地球にやってくる可能性はほとんどないことがわかる。寿命が1万年以上の異星人が存在し、光速の10%まで加速できる有人宇宙船が開発されれば、あるいは異星人が地球を訪れることがあるかもしれない。だが、いずれも可能性は極めて低い。ウルトラマンは2万歳だが、あくまでもSFの世界での話で現実にはありえないだろう。こう考えてくると、太陽系外から異星人が地球にやってくることは、どんなにその異星人の科学技術力が高かろうと、現実的にはありえないと言わなくてはならない。それゆえ、もし本当に異星人が遣ってきているのだとすると太陽系内に人類より遥かに進歩した知的生命体が存在することになる。しかし、その様な兆候は全くない。 有人宇宙船ではなく研究調査用の無人宇宙船ならば地球に派遣することは可能で、科学研究上の意義もあるだろう。しかし、科学研究用の宇宙船ならば、調査のために一定時間同一地点に静止しているか、等速で周回運動しているだろう。それに対して公表されているUFOの行動は不規則でそのような合理的なものではない。 これらのことから、UFOは異星からの飛行物体などではなく、気象現象、機器の異常、国外の秘密裏の研究などの可能性が高い。もちろん、だからと言って無視してよいとは言えない。他国が秘密裏に新兵器の開発を企てているとしたら黙って見過ごす訳にはいかない。ただ、その可能性は低く、ほとんどが一時的な機器の異常やごくまれに起こる気象現象に起因するものと推測される。UFOはワクワクする話題だが、現時点ではあまり真面目に受け取らない方が無難だと思う。 了
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