☆ 新型コロナ感染 ☆


 新型コロナに感染した。熱が38度を超え、筋肉痛、関節痛、喉痛、倦怠感、咳など典型的な症状に襲われた。発熱翌日、近くのクリニックで抗原検査を受けて新型コロナであることを確認した。抗コロナ薬が効いたのか5日で平熱に戻り倦怠感や筋肉痛・関節痛は消え、ほぼ普通に家事(食事の用意、片付け、掃除、洗濯)ができるようになった。ただ咳がしつこく残り熟睡できず堪えた。しかしそれも発症からちょうど2週間目には治った。それでも若者は抗コロナ薬など服用せずとも1週間もしないで完治するというからやはり歳を感じる。また単身者の辛さも身に沁みた。熱があっても大人しく寝ていることができない。

 軽症であったこともあり、友人にメールで新型コロナに感染したことを報告、その後の経過も幾度か追伸した。もちろん「お大事に」という労りの言葉を期待してのメールだ。幸い「自業自得だ」、「いよいよお迎えが来たな」などという辛辣なメールはこなかった。もし来ていたら落ち込んで症状が悪化し入院していただろう。

 メール連絡に対して「食事をしっかりとってください」と忠告する者と、「短期間の絶食は免疫力を高めるらしい」と忠告する者がいた。いずれも親切心からの忠告だが、素人考えで真に受けると危ない。発熱したときの定石は、水分をしっかりとる、食欲があれば栄養価が高く消化が良いものを腹にもたれない程度に食べる、食欲がない時には無理して食べる必要はない寧ろ無理して食べると下痢や嘔吐で却って衰弱する。一日程度ならば食べなくても大丈夫なのだ。あと新型コロナでは呼吸不全になっても本人が気が付かないことがありパルスオキシメーターでときどき酸素飽和度を計る必要がある。93まで下がったら速やかに医療機関に連絡、息苦しいのであれば救急車の要請だ。幸い、そういう事態には至らなかった。

 ところで短期間絶食すると免疫力が上がるというのは本当だろうか。大隅教授のノーベル賞でよく知られるようになったオートファジーという現象がある。絶食するとオートファジーつまり細胞内の異物・老廃物が分解され新たに蛋白質が作られるという現象が起きる。つまり細胞がリフレッシュされる。免疫細胞もリフレッシュされるから効果がどの程度かは定かではないが免疫機能を改善する可能性がある。オートファジーを活用したダイエットやアンチエイジングをする者も増えている。尤も、健康状態良好な時に試すべきで病気の時には好ましくない。また糖尿病患者は絶食により血糖値が不安定になり病状が悪化する恐れがあるので遣らない方がよい。イスラム教国でも糖尿病患者には医師はラマダンに絶食しない方がよいと忠告するらしい。イスラム共同体も免除してくれるという。

 それにしても、病気になっても怪我をしても致死的なものでなければ治るからありがたい。幾ら賢くてもAIは故障したら修理しない限り自然に治ることはない。AIではなく人間に生まれてよかった。尤もAIは自分が故障することを心配したりしない。AIの方が能天気でよかったという見方もできる。


(2024/9/22記)


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