☆ カメムシなど ☆


 今年は各地でカメムシが大発生している。東京ではさほどではないようだが、それでも脅威だ。

 手入れを怠って雑草が茫々の我が家の庭にもカメムシがたくさんいて屋内に忍び込んでくることが度々ある。先日、頭の上にガサっと何かが降ってきたと思って手で払うと床に落ちたのがカメムシ。スズメバチやゴキブリほど質は悪くないが臭いが凄い。手を嗅ぐまでもなく臭いが身体に沁みついていることが分かる。おかげで買い物に行くのを諦めた。原因は昨年、餌となるヒノキの実などが多く、さらに暖冬で越冬したカメムシが増えたからだと言う。だとすると、この先、温暖化が進むとさらに増える恐れがある。カメムシは農作物に大きな被害を与える。大発生すると農家だけでは対処しきれず、自治体と国が協力して対策を講じる必要がある。

 まだ5月なのに蚊がたくさん飛んでいる。先日、手の甲に痛みを感じて目を遣ったら丁度血管の浮き出ているところに蚊が止まっている。慌てて叩いたら大量に血が噴き出した。こんな年寄りを刺しても丈夫な子は生まれないぞと言いたいところだが、蚊には人間の年齢が判断できないらしい。尤も、刺して血を吸ってから「不味い!しくじった」と後悔していたかもしれない。そのうえ叩き潰されたのだから蚊にとっては悔やんでも悔やみきれない出来事だったに違いない。因みに蚊が早い時期から出てくるようになったのも温暖化が影響している。

 カメムシも蚊も悪気はない。カメムシは餌を探して飛び回る。蚊は子孫を残すために人の血を吸う。生きるために、種の維持、繁栄のために活動している。それで悪者扱いされては堪ったものではなかろう。しかも温暖化の原因は人間の活動にある。

 そうは言っても、蚊に血を吸われるのを放置したり、カメムシに室内を闊歩されるのを黙認したりすることはできない。特に農家のカメムシ被害は深刻でカメムシくらいと高を括ってはいられない。そんなことをしたら農家の方に叱られる。それもあって、今日もまた、いささか良心の呵責を覚えながら蚊を叩き、カメムシを捕獲する。


(2024/5/23記)


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