☆ いつの時代に行きたいか ☆


 タイムマシンがあったらいつの時代に行きたいか。

 過去ではなく、未来に行ってみたい気もしないではない。だが、自分の死ぬ日が分かるので気色が悪い。後悔すること間違いなしだ。そもそも、未来がすでにどこかに実在するとは思えない。

 なので、とにかく、過去の時代に行くことになるのだが、いつがよいだろう。絶対に生きて帰れると分かっていれば、恐竜時代の終わり、隕石衝突直前とそれからしばらくして恐竜が死滅していく時代に行ってみたい。テレビなどではもっともらしく色とりどりな恐竜たちが登場するが、本当にあんな皮膚の色をしていたのか、興味がある。もし、行けたら、恐竜学者たちの誤りをたくさん指摘してやることができると思っている。何しろ、限られた情報からの推測に過ぎないから、間違っていることがたくさんあるはずなのだ。

 人類誕生以降であれば、縄文時代の人々を訪問したい。果たして、言葉がどこまで通じるか、言葉が通じずとも心を通わせることができるか、試してみたい。恐らくほとんど通じないだろうが、信頼関係を築くことは出来るような気がする。尤も、服装も全く違うし、同じ人間であると認めてもらえるかどうかが、いささか不安ではある。

 有史以来では、月並みだが戦国時代に興味がある。英雄たち、信長、秀吉、家康、信玄、謙信、彼らがどのようなことを考え、どのような行動をしたかを取材できればとてもためになるし、何より自分が楽しい。尤も、斬り殺されないで面会できるか疑問ではある。

 もちろん、タイムマシンなど空想の産物に過ぎず、実現は不可能だ。現在以外の過去や未来が、どこかに実在しているとは思えない。

 過去も未来も理論的なモデルに基づき構成することができるだけで、本当のところは知ることはできない。だからこそ、今を大切に生きている。過去と未来を想像しながら、よく現在を生きることが大切なのだ。


(2023/5/10記)


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