☆ 避難所対策 ☆


 新型コロナウィルスの感染拡大が止まらない。4月中に収束することは期待できず、早くとも夏場までは厳しい感染症対策が継続することになろう。そこで、危惧されるのが避難所での感染拡大だ。

 連休明けの5月くらいからは全国で豪雨災害など自然災害が発生する。規模が大きくなれば、多くの住民が避難所に避難することになる。だが、今の日本の避難所で他人との距離を保つことは難しい。まさに、密封、密集、密接の三密の状況が発生する。この状況で感染拡大を防ぐためにはどうすればよいか。感染拡大阻止のためには、発熱や風邪症状がある者を隔離し、感染の有無を検査することが欠かせない。だが、全国の避難所でそのようなことができるとは思えない。そうなれば、避難所生活が長引けば確実に感染が広がる。避難が長引くことを防ぐためには早めに帰宅を促すことが必要だが、家屋や道路が損壊している場合などは不可能だ。避難所の収容人数を制限することが考えられるが、それでは避難できない者が多く発生し、生命の危機を招く。

 4月上旬の現在、豪雨や台風は季節的にいますぐ発生することは考えにくい。だが、大震災はいつ、どこでも発生しうる。首都圏で今後30年間に大地震が発生する確率は70%と見込まれているが、この数字はいつ起きてもおかしくないことを意味している。マグニチュード7を超える地震に見舞われたら、避難所生活を余儀なくされる者が莫大な数になる。さらに、感染症指定医療機関を含めて多くの医療機関も被害を受けて十分な治療ができなくなる。そうなれば、いたるところで集団感染が起き、他国とは比較にならないほどの規模の感染爆発と被害者が発生することになる。

 果たして、そういうことも想定して、行政は対策を考えているだろうか。おそらく目先の対策に精一杯で、大規模自然災害発生時の具体策までできているとはとうてい思えない。当面は、甚大な被害をもたらす大地震、豪雨や大型台風が発生しないことを祈るしかないようだ。


(2020/4/5記)


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