☆ 巨大生物の魅力と恐怖 ☆


 ネイチャー誌2月5日号掲載論文に、コロンビアで6千万年前の地層から体長13メートルの蛇の化石が発見されたと報告されている。体重は1トンを超していたと推測されるとのこと。凄い蛇だ。

 こんな蛇ならば人間でも丸呑み出来るだろう。蛇の体内に呑み込まれたらどんな気分がするだろう。生温かいだろうか、それとも変温動物だから冷たいだろうか。いや、温かいか冷たいかなどと考える暇もなく骨を砕かれているか窒息しているだろう。気の弱い筆者はこんな巨大な蛇に遭遇したら一瞬にして気絶すると思う。

 そうは言っても、巨大生物はやはりロマンがある。蛇は地上を這っているからもっと巨大になることができそうな気がする。陸上は海洋のように海水による浮力が働かないから垂直方向に巨大化することは難しい。ゴジラは初代が頭頂部から地面まで40メートル、平成ゴジラは100メートルまで巨大化したが、現実の生物界では重力の関係で陸上では精々30メートルが限界で、それ以上になると重量で身体が支えきれなくなると言われている。恐竜時代も最大の恐竜は水中生活をしていた。

 しかし、蛇なら横に伸びていくだけだから、いくらでも大きくなれそうな気がする。発見されていないだけで100メートルくらいの蛇が生きていたこともあるのではないだろうか。尤もそれほど巨大な蛇がいたとすれば、ずっと以前に化石が発見されているはずで、やはり横に伸びるのも餌の消化吸収や排泄の関係とかで限界があるのかもしれない。いや、そうではなく、縦に伸びると高い木の実や葉が食べられる、遠くまで見通して敵を発見しやすくなる、などのメリットがあるが、横に伸びても大してメリットがない。寧ろ動きにくくてデメリットが大きい。だから自然選択の結果、これ以上に巨大な蛇は登場しなかったのかもしれない。

 ところで蛇が13メートルの長さに達した理由は当時の熱帯地方の気温が現在よりも3、4度高かったからだと言う。やはり地球温暖化を食い止める必要がある。巨大蛇は魅力よりも恐怖が大きい。少なくとも筆者には。


(H21/2/6記)


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