夏は暑い。「暑は夏い」などと駄洒落を言っても少しも涼しくならない。ところで人の体温は36度台だが何故だろう。 緯度によって気温は異なるが平均すれば10度から30度くらい、気温よりも体温が高く、温度差を維持するために外部から多くのエネルギーを取り入れないといけない。体温がもっと低い方が効率的ではないだろうか。 だが体温が34度だったら、35度を超える猛暑日は地獄になる。体温よりも気温が高くしかも湿度が高かったら、体内の水分の蒸発が困難となり、過剰となった熱を外に逃がすことができず、冷房が利いた室内から外に出た途端ほとんどの者が熱中症で倒れてしまう。 では逆に体温が40度だったらどうなるだろう。今度は冬が地獄となる。体温を維持するために膨大な食糧を必要とし、室温を高くするために膨大な資源の消費が必要となる。 こうして考えると、36度台の体温というのは実に巧く出来ている。哺乳類など他の恒温動物では人よりも体温が高い種、低い種、様々だが人の体温が一番地球上で広く分布するのに適しているのではないだろうか。大型動物で人が陸上で最も繁栄しているのは文明の利器によるものと誰もが考えるが、体温の影響もあるかもしれない。地球温暖化の影響で21世紀末には現在よりも平均気温が2度から5度くらい上がると言われている。もしかしたら人の繁栄は終わり、他の動物が地上を支配するようになるかもしれない。 了
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