☆ ストレスで悩まない ☆


 4月24日のネイチャー誌掲載の論文で、ストレス耐性はある程度遺伝的に決まっていると報告されている。生まれながらにストレスに強い者と弱い者があるという。

 自慢ではないがストレスに弱いことにかけては人後に落ちない筆者には心強い研究成果だ。日頃からストレスへの弱さで悩んできたが、遺伝によるものならば自分の責任ではないのだから悩むことはない。尤も父親がストレスに弱いどころかストレスを生き甲斐にしているところが多々あるので本当に遺伝によるものか疑問が残るが細かいことは気にしない。細かいことを気にするとストレスになる。

 忙しない現代、いくら大らかに暮らそうと心に決めても実際のところ押し寄せるストレスに抗いながら生きていくしかない。だから、ストレスをうまく処理していくことが平穏な毎日を送るために必須の条件となる。

 遺伝でストレス耐性が決まるのであればストレスに弱い者は立つ瀬がないという意見があるかもしれない。だがそうは思わない。寧ろストレスに弱いことが悩みの種ではなくなる。背の高さは遺伝で大きく左右されるが、背が高くなりたいと思うことがあっても、遺伝だから仕方がないと諦めることができる。同じようにストレスに弱いという現実を受け入れて健康に留意して平穏な日々を送れるように心掛ければそれでよい。

 ストレスに押し潰されて健康を害したり、心の病に陥ったりする人が後を絶たないが、そういう人の中には直接的なストレスだけではなくストレスに弱い自分を責めることで余計落ち込む人が少なくない。だが卑下することはない。遺伝的にストレスに弱い体質なのだから自分の責任ではない。

 誰でも、自分が弱い人間、駄目な人間だと感じることくらい辛いことはない。だから自分を情けなく感じるときは自分を責めるのではなく遺伝子の責任を追及すればよい。ただ間違っても両親を恨んではいけない。両親も遺伝子を祖先から受け継いでいるだけなのだから。


(H20/4/30記)


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