若い頃は酷く痩せていて太るのが夢だったが、40を過ぎてから人並みに腹が出てきて、今では体重を落とした方がよいと言われるまでになってしまった。あの若き日が懐かしい。 ところで、電車などで目にするダイエットの宣伝をみていると、3ヶ月で15キロ痩せたなどという謳い文句が出てきて、ダイエットする前とダイエット後の写真が尤もらしく掲載されている。本当にあんな風に痩せることができるのだろうか。 想像するに、あれは痩せている人を運動させずに大食いさせて15キロ太らせ、それから減量して、ダイエット前と後の写真にしたのではないだろうか。健啖家で油断するとすぐ太る体質の人は少なくない。そういう人をスカウトしてきて、悪くないギャラを払い協力させる、これが実態だと筆者は睨んでいる。 これは勿論何の証拠もない筆者の勝手な想像だが、以前から太っている人がそう簡単に痩せられるとは思えない。そんなに上手い減量法があるなら、肥満者などいないはずだ。 そもそも体重が平均値を超えているからといって不健康だということにはならない。寧ろ無理な減量は健康を害することになる。 若い女性(最近は若い男性も)が、洋服の着こなしなどを考えてダイエットに走る気持ちは分からないではない。だが健康かどうかが一番の問題で、健康であれば少々太っていても何の問題もない。見映えに問題があるかもしれないが。 それにしても、ダイエットの宣伝は明らかに誇大広告のような気がするのに、訴えられた、公的機関から是正が求められた、などという話しを余り聞いたことがない。やはり効果があるのだろうか。いや、どうも違うような気がする。効果がなかったとしても、直接健康を害さない限りは、効果がなかったと訴えるのは憚れる。そんな方法でダイエットしようとしたのか、と周囲から笑われるのが落ちだからだ。 こうして怪しげなダイエット法やダイエット食品が氾濫することになるが、いまに深刻な健康被害が発生しそうな予感がする。ダイエットにはご用心を。 了
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