☆ 手書きメモの良さ ☆


 パソコンで何でも遣るようになって手書きでメモを作ることが少なくなった。だが手書きのよさはいくらパソコンが進化しても失われることはない。

 使いつけない装置の操作を覚えるとき、手順書をパソコンで作っているようではいつまで経っても習熟しない。ワープロソフトは利便性が増しているが、メモ書きのように適当なところに小さな文字で注意書きをしたり、概略図を付け足したりすることは簡単にはできない。ワードやパワーポイントで資料を作成していると、途中で肝心の部分が欠落してしまうことがある。パソコンは便利だが、人間の手の代わりになることはない。

 夜遅くまで仕事をしている会社員が増えている。何でも電子化し紙で残さないという最近の仕事の遣り方が大きな要因だと思う。手書きメモならば簡単に網羅できる情報をパソコンの電子データにするには膨大な時間が掛かる。オフィスで働く会社員ならば、自分の作業の時間配分を考えたとき、電子データの作成に大きな時間が割かれていることに気がつくはずだ。

 もちろんパソコンの普及が事務を簡素して、作業効率を高めたのは事実だ。だがパソコンは万能ではない。寧ろパソコンや電子データ特有の欠点もある。特に一寸した手書きメモのよさが失われるところにそれが如実に現われる。

 電子化は悪いことではないが、必要以上に拘ると業務の停滞や長時間労働に繋がる。そして実際弊害が至るところで生じている。ITを過信せず、紙のよさを忘れることなく、仕事の遣り方を考える必要がある。


(H19/3/10記)


[ Back ]



Copyright(c) 2003 IDEA-MOO All Rights Reserved.