☆ 数学の不思議 ☆


 数学は最も確実な学問だと言われるが、どうも納得がいかないことが多い。自然や自然科学、科学技術にすごく興味があるのだが、数学が苦手なので諦めた、という御仁は少なくないだろう。

 解析学でご厄介になる無限小というやつがよく分からない。無限小はゼロではない、だが、どんな数よりも小さい。う〜ん、そんな数があるのだろうか?実際、イギリス経験論のバークレーは無限小などというものは無意味だと批判した。だが、この問題はロビンソンという頭のよい数学者が無限小を実在する数と同じように扱う手法−超準解析と呼ばれる−を開発したおかげで、肯定的に解決された。無限小は存在する。だが、超準解析が凡人には理解できないから、数学者や頭の凄くよい人以外には肯定的に解決されたと言えるかどうか疑問だ。

 どうしても納得いかないのが仮言命題「pならばq」というやつだ。仮言命題は、pが真でqが偽の場合だけ偽になる。あとはすべて真だ。だから、pが偽のときは、qが真だろうが偽だろうが、仮言命題は真となる。

 「日本と韓国は陸続きである、ならば、地球は月より小さい。」は真だ。だが、どうして、こんな命題が真になるのか全く理解不能だ。

 しかし、こういう風になっていると非常に便利なのだ。数学体系が矛盾していないことの証明が簡単になるからだ。(説明を注に示す。ただし、数学が苦手な人は読まない方がよい。 )

 他にも、特異点を含む積分、ヒルベルト空間など現実離れしたことが多く、数学は理解しがたい。理解しがたいのに現代人は数学を崇拝している。数学の天才こそ真の天才と考えている人が多い。数学の不思議とは現代人が数学を崇拝していることにある。


 (注)一見したところ、矛盾していないことを証明することは凄く難しいように思える。次から次へと証明を続け、矛盾した命題が証明されないかどうかを確かめなくてはならないように思えるからだ。だが仮言命題の性質を利用すると、矛盾していないことの証明が簡単になる。pが偽ならば、「q」と「qでない」の両方が証明される。つまりすべての命題が証明されることになる。この事実の対偶をとれば、こうなる。「一つでも証明できない命題が存在することが証明できれば、数学体系は無矛盾である。」要するに一つでも証明できない命題を作ることができれば、その数学体系は無矛盾であることを証明されたことになる。

(H15/6/24記)


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