他に観る番組もないので、パソコンで遊びながら横目で紅白歌合戦をみていて度肝を抜かれた。DJ OZMA(不覚ながら紅白で観るまでその存在を知らなかった)と一緒に踊っている女性ダンサーが上半身裸なのだ。思わず画面に釘付けになった。よく観ると裸ではなく裸の画をあしらったボディースーツを身につけている。「何だ裸じゃないのか」と安心した(がっかりした)が、これは苦情が出るぞ!と思っていたら、案の定、三宅民夫アナが出てきて「裸ではありませんが、誤解を与えて申し訳ありません」と謝罪した。 この程度のパフォーマンスに目くじらを立てるのは野暮かもしれないが、昔ほどではないとは言え50%近い視聴率を誇る番組だ。子供や老人も家族一緒で観ているのだから冗談が過ぎた。 紅白歌合戦の視聴率は下降気味で不要論も出ていた。何とか挽回したいという気持ちが制作側にはあったのかもしれないが、歌番組なのだから奇を衒ったパフォーマンスはいらない。若手の初出場者でも、絢香のような実力派で歌も良い歌手がいるのだから、そういうメンバーを中心に番組を編成すればよい。いまどき昔のように60%以上の視聴率などどうやっても無理だ。筆者が子供の頃は平均視聴率が30%を越えるドラマは珍しくなかったが、今ではほとんどない。今年は連続ドラマで30%を超えたものは一つもなかったし、20%を超えたドラマも3つしかない(関東地区)。そういう状況を考えれば40%を超える視聴率が取れれば御の字だ。 そもそもNHKは視聴率に拘る必要はない。大事件や自然災害が起きれば、日頃からNHKの悪口を言っている者でも大抵はNHKのニュースをみる。NHKは報道と視聴率は取れなくてもためになる質の高いドラマやドキュメンタリー制作に力を入れればよい。初回放映時には視聴率が低かったが、再放送で高い視聴率を獲得するという番組は少なくない。NHKに期待するのはそういう番組だ。 正直言えば、一人でテレビを観ている筆者のような人間にすれば、こういうハプニングは面白い。これがもっと遅い時間帯の番組ならば心置きなくニヤニヤしながら観ていることができたのにと残念に思う。だが、そういう事実が紅白歌合戦という場には相応しくないという証拠なのだ。場を弁えてくれ、NHKさんよ。 了
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