☆ まさか、また今年も阪神か? ☆


 今年は前年の優勝の後遺症で阪神は駄目だろうと思っていたら、交流戦に入るや否や、昨年同様絶好調だ。5月24日現在首位巨人との差は僅か0.5、トップに立つのも時間の問題だ。わがスワローズも昨年同様交流戦に入ってから成績がよいが、手強い日ハム、ロッテ相手の試合がまだないし、ソフトバンクには負け越し、打撃が好調なのに救われているが投手陣はぼろぼろ、こちらも昨年同様交流戦後半から坂道を転げ落ちるのは目に見えている。

 ということは今年も阪神優勝?大のタイガースファンの森には悪いが、阪神が二年連続優勝じゃ、洒落にならない。巨人でも、阪神でもなく、マイナーなスワローズファンが「巨人と阪神が競ったら絶対阪神応援だ」と言っていたのは阪神が弱かったからだ。それが二年連続優勝となったら一寸訳が違ってくる。阪神ファンは「巨人ファンはエリート、阪神ファンは庶民」だとか、「巨人は主流派、阪神は反主流派」などと盛んに自分達の反骨精神を誇示したがるが、マイナーなチームのファンからすれば、巨人ファンも阪神ファンも大差ない。違いは阪神ファンの方が喧しい野郎が多いというくらいだ。たまに優勝するから、バカな飛び込みも笑って許せるが、毎年優勝となると、圧勝に喜ぶ小泉首相・武部幹事長コンビの顔を思い出してしまい、はっきり言って不愉快だ。−筆者の勝手な想像だが、ご両人は阪神ファンのような気がする。こんなことを言うと、わが国の最高幹部と阪神並びに阪神ファンの両方に失礼になりそうだが。−

 とにかく、人にも組織にもそれぞれ個性があり、世の中で期待されている役回りというものがある。エンターテイメントのプロスポーツでは特にそうだ。多くのファンの声援に後押しされて、憎らしいほど強い巨人に懸命に挑み、あと一歩のところまで迫りながら、最後の最後で破れて涙をのむ。これが阪神ファン以外の者にも愛されてきた阪神の姿だった。天覧試合で長嶋にサヨナラホームランを打たれ、ぼそっと「あれはファールだった」と言い残して、黙って球場を後にする村山、あれこそが阪神だった。我ら凡庸なる野球ファンの心を熱くしたのはあの姿だったのだ。

 それなのに、いまやその面影は全くない。強すぎる。しかも嫌なのは昔の巨人のようにそつなく強いことだ。勝負強く、ここぞというところで畳み掛けるような攻撃を仕掛ける打撃陣、鉄壁のディフェンスを誇るリリーフ陣、まさにかつてのV9巨人を彷彿とさせる完璧な強さだ。選手もかつての藤村、村山、川藤、江夏、亀山、新庄のような規格外れの破天荒な選手が一人もいない。金本を筆頭に揃いも揃って優等生ばかりだ。「阪神の選手たる者、紳士であれ」と誰かに教わったのか。芦屋タイガースとでも名前を変えるつもりなのか。

 唯一の救いは日本シリーズであっけなく4連敗するところで、この辺りには古きよき阪神の姿が微かに残っている。しかし、それも今年リーグ優勝して日本一になれば終わる。−その可能性は相当高いと予想する。−巨人の対極にいたはずの阪神は、巨人と並ぶ単なる強くて人気のあるチームに過ぎなくなる。おそらくそれは日本のプロ野球の終焉、少なくともドラマとしてのプロ野球の終焉を意味することになる。

 ここは日本の野球ドラマを面白くするためにも、今年は阪神が優勝しないことを強く要求したい。甲子園の最終戦巨人vs阪神で阪神勝てば優勝という場面で巨人にあっけなく破れ、両チーム以外のチームが(できれば5年ぶりにスワローズが、さもなければ広島か横浜が)優勝という展開を心から期待したい。ついでに今シーズンオフ、清原と桑田をトレードで獲得して−できれば高津もお願いしたい−、来年彼らの引退試合を満員の甲子園球場で開催してあげて欲しい。そうすれば、日本のプロ野球界は大いに盛り上がるはずだ。


(H18/5/24記)


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