☆ 不吉?早稲田組 ☆


 勝てっこないと思い込んでいたが、意外に堀江ライブドア社長が頑張っている。別に彼を支持するわけではないが、高裁の結果いかんでは「堀江氏フジサンケイグループを手中に」なんて思わぬ?展開になるやもしれない。実は、フジテレビの首脳陣には不吉な影が忍び寄っているのだ。

 西武グループのオーナー堤義明氏、海老沢前NHK会長、出井前ソニーCEOと、今年に入って立て続けに著名な経営者が失脚しているが、この三人には共通点がある。

 そう、三人とも早稲田大学出身者だ。そう言えば、強制猥褻で国会議員の地位を棒に振った中西元議員も早稲田出身とのこと。大学ラグビー日本一に始まり今年は早稲田が世間の脚光(罵声?)を浴びる年らしい。

 尤も三人を同列に並べるわけにはいかない。親の七光りでオーナーになり古臭いワンマン経営で自ら墓穴を掘った堤氏、トップの座に固執して晩節を汚した海老沢氏、もちろん功績もあったのだろうが、二人の失脚は自業自得だ。しかし出井氏は違う。確かにここ数年ソニーの業績は振るわなかった。だが、社長就任当時赤字だったソニーを建て直し、社外取締役の積極的な起用など新しい経営スタイルを築き上げた出井氏の業績は大きい。悲運の名将と言ってもよいのではなかろうか。今にして思えば、なまじプレステが当たったのがよくなかった。あの辺りからソニーの体質が微妙に変化して軽薄になった感がある。

 まあ、いずれにしろ三人とも早稲田出身者であることは間違いない。この事実はしかしフジテレビのお歴々には些か不気味なものに映るだろう。フジテレビの日枝会長、ニッポン放送の亀渕社長の二人がやはり早稲田なのだ。二度あることは三度あると言う。三度あることが四度あり五度あっても何の不思議もない。東大や慶応と違い早稲田出身の大企業トップはごく少ない。それなのに最近失脚するトップが早稲田ばかりとは。不吉な影をお二人は払い去ることができるだろうか。

 70年代業績不振に喘ぎ、民放大手4社で万年最下位、後ろをみればテレビ東京などと皮肉を言われていたフジテレビは、今や民放ナンバーワンの地位にある。創業者鹿内一族を追放し50歳にして社長の座に登りつめ長く経営の舵取りをしてきた日枝会長の功績は大きい。

 「面白くなければテレビではない」を合言葉に娯楽路線まっしぐらで今の地位を築いたフジテレビは、公共放送と言うよりも電動式紙芝居の世界という表現が相応しい。−こういう言葉を使うと歳がばれる−

 それはなんら悪いことではない。国民が欲するものを的確に見抜き、それを提供して利益を上げてきたのだ。ただ、犯罪行為をしなければディズニーランドの経営者が誰であろうと誰も気にしないように、フジテレビのトップが誰になろうと別に何の支障もない。堀江氏では駄目だという理由は一つもない。

 フジテレビとライブドアの攻防は暫く続くだろう。だが、後輩として、日枝氏には敗北したときには潔く散っていただくことを切に願っている。堤氏や海老沢氏ではなく、出井氏の後を追ってもらいたい。


(H17/3/18記)


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