『権力者ではないが、若者が妬ましくなった50を迎えた我が身を反省するために』 女性の嫉妬は怖いとよく言うが、「男の嫉妬ほど怖いものはない」というのが本当だろう。堀江ライブドア社長へのバッシングはお爺さん達の嫉妬の激しさを物語っている。 堀江社長の遣り方は行儀のよいものではなかった。だから、ある程度の非難は致し方ない。しかし、有力政治家、日銀総裁、官僚、大企業のトップなど日本の政治経済を牛耳るお爺さん達の過剰反応には驚かされる。 かつて、巨人は空白の一日とやらで、江川投手と電撃的に入団契約を締結して世間から非難を浴びた。だが、あのときは、明らかにルール違反だったし、非難の声は権力を牛耳るお爺さん達からではなく、一般市民から上がったものだった。巨人ファンの権力爺さん達はむしろ巨人を擁護した。 しかし、今回は全く違う。一般市民の中には堀江氏の行動に喝采している者も少なくない。擁護していなくて、別に厳しく非難する声はほとんど聞こえてこない。怒っているのは権力にしがみついているお爺さん達だけだ。 そもそも、堀江氏の行動はルール違反だったのだろうか。実質的な子会社であるニッポン放送が親会社のフジテレビの株式を握っているというフジ産経グループの不自然な体制を放置しておいた経営者にこそ責任があるのではないか。堀江氏を非難する前に自らの至らなさを反省するのが筋だろう。 一連の過剰反応は、要するに「生意気な若造が、思い知らせてやる!」ということなのだ。堀江氏は権力を握るお爺さん達を甘く見て、触れてはいけないところに触れてしまった。お爺さん達の物凄く強い嫉妬心に火をつけてしまったのだ。現時点ではまだ勝敗の行方はみえていないが、堀江氏に勝ち目はないと予想する。権力は伊達ではない。 50になり、お爺さんの域に達しつつある筆者としては、お爺さん達の悪口を言うのは本望ではない。だが、今回の行動は余りにも醜い。少しばかり舞い上がってしまった30過ぎの若者をよってたかって苛めることはなかろう。そこから見えてくるのは、老いからくる若者への嫉妬、老いの代償として得た(つもりでいる)権力を使ったみみっちい仕返しだけだ。 堀江氏が株式支配でフジテレビの実権を握ったところで、自分勝手なことをすれば、すぐに社員や世間の反発を買って行き詰まり、撤退せざるを得なくなる。そんなことが分からないのか。後が短いから焦る気持ちは分からないではないが、もっと大人になってもらいたい。堀江氏に「君の遣り方は好ましくない。世間も社員もいつか君の行動に反発するようになる。」とそっと諭し、失敗して落ちたときには庇ってやる。そういう度量が欲しい。 堀江氏をバッシングしている権力爺さん達たちは自分たちの見苦しい嫉妬心と狭い了見を自覚反省して、バッシングするのではなく、冷静に理を説くよう努めるべきだ。そもそも、現代日本の低迷の元凶は貴方たちではないのか。若者を苛めている場合ではない。 了
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