最近雑誌を見ていると「エビジョンイル」という言葉をよくみかける。エビジョンイルはNHK現会長(1月22日現在)の海老沢氏のことだ。しかし、どう考えても、この言葉は単なるおやじギャグの類だ。それに、拉致問題があるとは言え、かつて日本が侵略した国の指導者をこんなところでダシに使うのは、北朝鮮の人たちに失礼ではないか。「エビ様」くらいにしておけ。 どうも、マスコミの方たちのセンスを疑うことが多い。いたるところで腐るほど出てくる「巨乳」という言葉もその一つだ。「巨乳、巨乳と大騒ぎしてバカかお前達は」と言いたくなる。爆乳、スイカップなど色々な変形バージョンがあるが、どれも品がないの一言だ。大体、人の身体の一部を取り上げて囃し立てるのは相手に対して失礼極まりない。失礼どころか差別用語だ。シャイな女性ならば「巨乳だね」などと言われたら、さぞかし不愉快だろう。多感な季節の少女なら精神に変調をきたしかねない。性に興味を持ち出した小学生ならいざ知らず、大人の男が口にする言葉ではない。恥を知れ。 斯く言う筆者も、「巨乳」という言葉はしばしば使うから、その品性と知性においては君たちと少しも変わるところはない。だが公の場では使わない(とは言い切れないが)。ごく親しい人たちと一杯遣りながらバカ話をするときだけに使う。こういう言葉はそういうところだけで使う隠語であるべきなのだ。 胡散臭い隠語の世界を否定するつもりはない。それは民衆のエネルギーの源であり、文化の発信源でもある。だが、マスの中でデカイ顔して出てくるものではない。 言葉の使い方は言論に携わる者にとって生命線であるはずだ。もっとセンスを磨け! 了
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