☆ スカートが消える日 ☆


 女子高生のスカートが短くなったのはいつ頃からだろう。昔は、女子高生のスカートは長かった、特にツッパリと呼ばれた子のスカートは裾が地面につくほど長かった。お陰で、校則でスカート丈が膝下何センチまでと制限されている学校もあったほどだ。

 一時期ほどではないが、いまでも、女子高生のスカートは短い。ファッションとして定着したのだろう。とはいえ、見えないところで変化がある。数年前までは、駅の階段や風の強い日など、女子高生のスカートの裾から白い天使が顔を覗かせることがあった。だが、最近はこういう(嬉しい?)ハプニングはまずない。ほとんどの女子高生は、スカートの下にスパッツやショートパンツを履いているから、白い天使が顔を出すことなどない。

 スパッツやショートパンツを履くのは、のぞかれたり、盗撮されたりするのを防ぐのが目的だろう。でも、理由はそれだけではないようだ。下着を見られる心配がなければ、行動がずっと自由になる。最近、繁華街で、若い女性が地べたに座り込んで話しをしているのをよく見かけるが、座り込んでも下着を見られる心配がないので、こういう大胆な行動をとることができる。

 こういう姿を見て、最近の女は行儀が悪いと言う者もいる。しかし、女は人前では上品に振舞わなくてはならない、などという男の幻想に女が拘束された時代は過ぎ去った。男が傍若無人な振る舞いを許されるなら、女だって同じことをする。男女同権の時代では当然のことだ。

 流れはさらに先に進む。スカートの下にハーフパンツやスパッツを履くより、いっそ、パンツ(下着ではない)にしてしまえばすべて解決だ。街を歩いてみても、スカート姿の女性よりパンツルックの女性の方が圧倒的に多いことに気が付く。早晩、女子高生の制服もスカートからパンツに変わるだろう。美しい足を見せたい子はショートパンツにすればよい。スカートは、恋人と一緒に過ごすときとか、パーティに出かけるときだけに着用する特別な服になるに違いない。

 おじさんとしては、一寸寂しい気がするが、これがご時世だ。着物姿の女性を見かけなくなったように、あと10年もすれば、スカート姿の女性を見かけることもなくなる。個人的には、そうならないことを期待するが。

(H15/4/29記)


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